「あぅぅぅぅぅ。
なんでこんな時間まで窓枠の修理しなきゃならないんだ。
しくしくしくしく。」
「あ、いいところにいた、ベルっ!」
「!? どしたんだ?」
「いいからそこにじっとしてろっ!」
「あ、ああ?」
「いたぞっ!」
「うわっ!
おい、レナードっ!?
いきなりナイフ投げるなよっ!」
「いいからじっとしてろって言っただろ、ベル。」
「馬鹿、じっとしてたらナイフが危ないだろうがっ!」
「だから俺にあたらないようにお前を盾にしているんだろうが。」
「するなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「ちっ。そんなんだから心の狭い奴って言われるんだよ。」
「誰に言われるんだよ?」
「俺に。」
「だったら言うなぁぁぁぁぁっ!!!」
「うおあっ!?だから俺にめがけて投げるなぁぁぁっ!」
「アシストを狙っているだけだ。」
「だからその間にいる俺のことも考えろっ!」
「安心しろ、なまくらのナイフだ。
ちゃんと顔は狙わずに足だけを狙っている。
当たっても弁慶の泣き所を蹴られたぐらいの痛みにしかならん。」
「それでもあたれば充分痛いわぼけぇぇぇぇぇっ!!!!」
「……フィリス・エウ・クレイティス
荒ぶる突風よ邪魔者を吹き飛ばせ
ゲイルっ!!!」
「うわわわわっ!?」
「なんのっ!」
「いってぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
「アシストではなくベルに当たったか……。」
「よっしゃ、今のうちっ!」
「レナード将軍とアシスト師団長って……
実はある意味で似たもの同士かもしれない。
……はぅ。」
「わけのわからないことを言ってないで早く追うぞっ!」
「あ、はいっ!」
「はっ!……直りかけていた窓枠が今の突風で壊れてるぅぅぅ。
また1からやり直しだぁぁぁっ。
はぅぅぅぅう。」
「…………がんばってくださいね。」
「そんなこと言わないで手伝ってくれない?ね?」
「私もアシスト師団長追いかけなくちゃいけないので。」
「あううううぅぅぅっ。」
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