Forbidden Palace Library #07 夜明けの前に


王都シルバニア
ラントシュタイナー邸

住宅街と繁華街のちょうど中間あたりに建てられたラントシュタイナー邸。

先の大戦後、都市の防御力を高める目的で町の一部が再開発されることになったが、その一環としてまず最初に区画再整理されたのが住宅街と繁華街という両者の中間に位置したこの地域であった。
そういった理由でシルバニアの中でも新しいこの地区に合わせたのか、あるいは持ち主の性格を表しているのかまではわからないが、家の回りはいつまでも新築同然に綺麗に手入れされている。



(エリーゼ師団長、まだ星空眺めてる……。)

エリーゼ 「あら、秘書さん。どうしたの?」

「いえ、先ほども窓から星空眺めていたなぁと。」

エリーゼ 「ええ。
 考えごとしてると時々眠れなくなるのよ。
 そんなときはこうして窓越しに夜空を眺めるの。」

「……夜空に輝く星って、綺麗ですよね。」

エリーゼ 「ずっと昔から、この世界のことを見続けてきたのよね。
 そんなことを考えていると、
 つい、ぼーっとしちゃうのよね。」

「……エリーゼ師団長って、結構ロマンチストなんですね。」

エリーゼ 「そ、そう?」

「アシスト師団長も幸せ者ですよね。」

エリーゼ 「ち、ちょっと秘書さん、なにを言うのよっ!?」

(露骨に真っ赤になってるし……。)

エリーゼ 「さ、寒くなってきたから毛布もってこようかしら?」


すたすたすた


(エリーゼ師団長ってわかりやすい人だなあ。
 ……と。
 私もこんなことしてる場合じゃなかった。)



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