「あのー、アシスト師団長。
今日帰ってくる予定のジュリアスさんって、
どんな人なんです?」
「いや俺も会ったことないからよく知らないんだ。」
「え?そうなんですか?」
「ああ。俺が初めてこの王都に来たのは
今から300……ああ、いや。
とりあえずは2年前ということになっているし。」
「とりあえずは……ってなんですか、それ?」
「ああ、いや、なんでもない気にするな。
それより秘書。
ここに葡萄味のキャンディーがあるんだが舐めてみる気はないか?」
「え?
ち、ちょっと遠慮しておきます。
っていうか何が入っているのか怖いんですけど……。」
「なに、頭がしびれるのは多分最初だけだ。そのうちに……」
「ロ・ウ・ク・ス・君!」
「げっ! エリーゼ!」
「今、秘書さんに何しようとしていたんです?」
「ああ、いや、なんでもない。なぁ、秘書?」
「えっ、えっ?」
「嘘おっしゃい!今なにしようとしてたのっ!?」
「……もちろん人体実験。」
「蹴りぃぃぃぃっ!!!」
「ぐはっ……ぱたり。」
(……ふぅ。危なかったぁ。)
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