王都シルバニア
繁華街
気候が涼しくなると共に人々の往来は活発になる。それはこのシルバニアとて例外ではない。
道のぬかるみがなくなり馬や馬車にとって最も移動しやすい季節となるこの涼季。
近隣の諸都市から農作物や工芸品が馬車いっぱいに詰められて運ばれて来るだけでなく、
北のエルメキアやアルゲンタインといった遠い地方からも昨年取れた産物が運ばれてくる。
繁華街に連なる店々の営業開始時刻からまだあまり時間が経っていないことも関係しているのか、どこの通りも人混みに溢れている。
「おや、マルス君。」
「んんん。いやぁ、一時間ぶりー。元気ー?」
「うん、ところで手に持っているのは何だい?」
「んんん。地図の一種。
海で迷ったときとか便利だよ。
いる?」
「うん。いる。」
「んんん。
本当はホログラフィがついてる立体深度地図だったんだけど、
それが消えて無くなっちゃってるから無料でぷれぜんと。」
「いいの?」
「んんん。」
「じゃあありがとう。もらっちゃうね。」
「んんん、毎度ありー。」
・・・・・
(……なんでそんなもの持ち歩いているんだろう、マルス前師団長。)
▽ 中央公園へ行く
▽ 城壁へ行く
▽ 住宅街へ行く
★★★
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