「ちゃきーんちゃきーんちゃきーんちゃきーんちゃきーん」
「ってあのー、怖いからそんなに連続して何度も鳴らさないでもらえます?」
「…………………………ちゃきーん。」
「いえ、恨みがましく一度だけ鳴らされてもやっぱり怖いんですが。」
「俺様がいい気分で磨いているところを邪魔するとは何事だ。」
「……磨くの好きですねー。」
「つい先ほど、ナヴァリニアから布が大量に馬車で届いてな。
少し切れ端を分けて貰って、それで磨いていたのだ。
流石はナヴァリニア産。ちゃきーん。」
「何かこだわってません?産地に?」
「無論。
この華麗なる高枝切りバサミを磨くために
ありとあらゆる布を試した結果……」
「試したんですか?いろいろと?」
「ナヴァリニア産の布が適度なやわらかさと触り心地から、
俺様の華麗なる高枝切りバサミに最もふさわしいとなったのだ。
そう、言うなればこの高枝切りバサミの為に生まれてきたような……」
「おーい、無視するなぁ」
★★