「あ、レナード将軍。」
「……秘書か。何の用だ?」
「そういうレナード将軍こそ、住宅街でなにやっているんですか?」
「……それで、何の用だね、秘書?」
「話逸らすし……まぁいいや。」
「こほん。早く用件に入りたまえ。」
「いえあのですね、ボイス元帥があれほどまでに侵入を阻止しろと
言っている人物ってどんな人なのかなぁと。
何も説明されませんでしたし……。」
「確かに剣の腕はたつ。
その事は自他共に認めていたはずだ。
彼と近い年代層の間では王立軍で1・2を争うほどの才能を持っていたからな。」
「かなりの剣の使い手なんですか?」
「ああ。
最後に会った頃はまだ若かったが、
あの頃から変わっていなければ前途はかなり有望だったはずだ。」
「へぇ……ところでその人の名前……」
「ところで今何時頃か分かるか?」
「は? え、えーと、午前9時すこし前だと思うんですが?」
「そうか。一度アリスさんのところに顔を出してみるか……」
「あのー、レナード将軍、
その人の名前が知りたいんですが……
あーあ、行っちゃった。」
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