王都シルバニア
住宅街
雪も解け、ゆるやかに春の風が舞うこの季節。
住宅街の所々でも花のつぼみがわずかに地面から顔を出し始めている。
それまで耐えてきた長い冬を乗り越え、夏の来ないこの地方でわずかな春の陽気を楽しむかのように。
昼食の時間ということもあり、さっきまであれだけ屋外にでていた子供達はとりあえず家に戻っているようだ。
お昼ご飯が終わった後、再び外へ遊びに出掛けるのであろう。
ごとごと ごとごと
(ん?ゴミ箱が動いてるっ!?)
ばかんっ
「わっ!」
「きょろきょろ。
おや?君は。
どうしたんだいこんなところで?」
「いえ、あのー、
それはこっちの台詞なんですが……。
アークライト師団長こそゴミ箱の中で何やっているんですか?」
「……さぁ、それが僕にもさっぱり。
ジュリアス君を城壁まで迎えに行こうと思ったんだけど、
途中で道を間違えちゃったかな?」
ばこんっ
「ってどうしてそこでゴミ箱の中に戻るんですかぁぁぁっ!?」
ぱかっ
「……え?いない……?
ってえええっ!?
どこに行ったんですかぁアークライト師団長ぉぉっ!?」
▽ 中央公園へ行く
▽ 城壁へ行く
▽ 繁華街へ行く
▽ パン屋ソフトブレッドへ行く
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