Forbidden Palace Library #08 認可なき侵入


王都シルバニア
繁華街

気候が涼しくなると共に人々の往来は活発になる。それはこのシルバニアとて例外ではない。
道のぬかるみがなくなり馬や馬車にとって最も移動しやすい季節となるこの涼季。
近隣の諸都市から農作物や工芸品が馬車いっぱいに詰められて運ばれて来るだけでなく、
北のエルメキアやアルゲンタインといった遠い地方からも昨年取れた産物が運ばれてくる。

商人にとって、冬が訪れる前の秋と同じぐらいこの涼気が商売上おいしい季節となるからである。


アーク 「やあ、辞書君。」

「秘書ですってば。」

アーク 「似てない?」

「似てません。」

アーク 「そうか、それはとても残念だ。」

「それはともかくアークライト師団長、
 一つお伺いしたいんですが、
 どうしてそのジュリアスさんはこのシルバニアからいなくなったんです?」

アーク 「うん、というと?」

「いえ、次期師団長候補にまで推される人物なのに、
 どうしてそれを放り投げてどこかに行ってしまったのかなぁと。
 ちょっと疑問に思ったので。」

アーク 「うん、確かミルククッキーが……あ、猫だ。」


にゃーん。


アーク 「ねこー。」


にゃーん



すたすたすた


「ってアークライト師団長っ!!!
 どこ行くんですかぁぁっ!?
 ミルククッキーがどうしたんですかぁぁあっ!?」



▽ 中央公園へ行く
▽ 城壁へ行く
▽ 住宅街へ行く
▽ パン屋ソフトブレッドへ行く



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