「あのー、レナード将軍。
さっきから聞こうと思っていたんですが、
ジュリアスさん侵入阻止作戦はどうなったんでしょうか……?」
「そうだ、ジュリアス。
言い忘れていた。
ボイス元帥がお前の侵入を拒もうとしているぞ。」
「……レナード将軍、ひょっとして本気でそのこと忘れていましたね?」
「何の事かな?記憶にないな。」
「なんでバレたんだ?」
「お前が俺宛に書いた手紙があっただろう。
帰還の日時を書いた奴。
あれが何故か手違いでボイス元帥のポストに放り込まれていたらしくてな。」
「そこからバレたのか。
にしてもあのジジイまだ怒ってるのか……。
だからあれは俺の濡れ衣だって言ってるのにな。」
「あのー、何かあったんですか?」
「あー。
昔ちょっと、色々もめてな。
しかしそいつは困ったな。」
「それで、どうするジュリアス。
軍事作戦上ではお前はこの王都に
入ってはいけないことになっているのだが。」
「……もしかして、
師団長達が誰も止めようとしていないあたり
最初から誰も実行する気のない作戦だったんじゃ。」
「だからといって命令は命令だ。元帥に逆らうわけにはいかない。」
「じゃあどうするんです?」
「とりあえず、最善は尽くしたということで。」
「いいんですか?そんないい加減で?」
「別に構わん。結果が伴わなかっただけと言うことにすればいい。」
「ま、なにはともあれ。いつまでもここに長居しているわけにも行かないし、
ちょっと俺は住宅街をうろついてみるか。
他にクッキー屋がないか調べてみたいしな。」
「そうか。ではまた後でな。」
「おうよ、レナード。」
「こ、この二人ってよく分からない……。」
■