「ねぇねぇ、秘書ちゃん。
『二次遷都計画委員会』って聞いたことあるー?
シルバニア建国当初に存在していた組織なんだけど☆」
「二次遷都計画委員会?」
「今から500年近く昔、シルバニアが北のブランドブレイ王国から分離独立する時に、
暫定的にバレンタイン港に首都を定めたんだけど(一次遷都)
あくまでそれは正式な首都を定めるまでの臨時的なものでしかなかったの。」
「どうしてバレンタイン港をそのまま正式な首都にしなかったんです?」
「開拓時代に人口の流入があったりしたせいで都市整備がぐちゃぐちゃになっちゃって、
防衛的にかなり問題があったらしいの。
ほら、2年前の大戦でもエンディル側に苦戦を強いられたしー。」
「なるほど、それできちんとした首都を探す必要があったわけですね。」
「でも当時、国土の半分が開拓地だったシルバニアに
そんな都合のいい都市なんかあるわけなくて、
仕方なくてどこかに計画都市を作ろうということになったらしいの。」
「そして選ばれたのが、ここシルバニア村。」
「え……?村、だったんですか?ここ?」
「そうよー。村って言っても、
開拓地へ赴く人々が一時的に滞在するだけの
宿場村みたいなものだったらしいの。」
「……これだけ大きな都市になってしまうと、
そのころの様子なんて
全然想像つかないんですけど……。」
「でねでね、場所は決まったからじゃあ実際にどんな首都を、
そしてどんなお城を造るのか協議するための
委員会がバレンタインの暫定首都に設立されたらしいのー☆」
「それが先ほど言っていた『二次遷都計画委員会』?」
「ぴんぽーん。
その委員会の人たちのお陰で今のシルバニアがあるのよ☆
感謝しなくちゃね☆」
「その委員会の構成員って、どんな人達だったんでしょうね。」
「意外と秘書ちゃんみたいな人もいたりしてー☆」
「……それ、あまり洒落になっていないような気がするんですが。」
★★