Forbidden Palace Library #08 認可なき侵入


王都シルバニア
住宅街
パン屋ソフトブレッド

木彫りの看板のぶら下がる住宅街のパン屋さん、ソフトブレッド。
近づくにつれ、だんだんと香ばしい匂いが漂ってくる。
どうやら先ほどパンが焼き上がったばかりのようだ。




からんからん


アリス 「いらっしゃいませ。」

「えっと、あのー。」

アリス 「???」

「茶色い髪の毛の男性の方、このお店に来られました?」

アリス 「いえ、今日はまだそのような方を見ていませんが……?」

(ちゃんとたどり着けていないのかなぁ?)

アリス 「その方が、どうかなさったんですか?」

「いえ、先ほどこの近くにパン屋はないかと聞かれたので
 このお店をお教えしたんですが……
 道にでも迷ったんでしょうねぇ?」

アリス (さては私の命を狙おうとしているのねっ!
 そんなっ! ダメよ、負けてはダメ、アリス!
 私はレナード様のものなのよっ!)

「もしお見えになられたら、宜しくお願いいたしますね。」

アリス (『いいんだね、君の全てを頂いても?』『ええ……でもこんな昼間から……』
 『愛という囁きを紡ぐのに時間は関係ないさ』『ダメっ……そんな……』
 『心の糸を紡ぐ為に、その一糸纏わぬ姿をみせてくれ』『あっ……。』)

「???あのー、もしもし?」

アリス 「…………………………。」

「え、えっと、とりあえず出直しますー。じゃっ。」


からんからん



・・・・・


(さっきのあの人、どこに行っちゃったんだろう?
 ……アークライト師団長じゃないから、
 そのうちにここにたどり着けるとは思うけど……。)



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