Forbidden Palace Library #09 君だけの騎士


王都シルバニア
中央公園

地面には花が咲き、芝生には草が生い茂る。
落葉樹は再び枝を青く染め上げ、針葉樹も冬とは違う鮮やかな青さを引き出している。
中央公園は冬と同じ場所とは思えないほどの、色鮮やかな色彩で満ちている。

お昼時だからだろうか、さきほどまでいた子供達の姿はもうない。
家にご飯でも食べに帰ったのだろう。




にゃーん。


「よしよし。ごろごろごろー。」


にゃー。


ユリア 「あらぁ、秘書ちゃん☆
 あ、かわいい猫ー。
 秘書ちゃんって、猫が好きなの?」

「ええ、なんとなく……。
 とはいっても生まれてから一度も
 猫を飼ったことはないんですが。」

ユリア 「ふぅーん。
 だから中央公園の猫と遊んでいたのね。
 でも、この猫って名前ないのかしら?」

「……そういわれれば。
 この公園にいるってことは
 誰にも飼われていないんですよね。」

ユリア 「そういう事になるわねぇ。
 じゃあ尚更もっと遊んであげたら☆
 きっとその猫も喜ぶわよ☆」


にゃー。


「そ、そうですね……よしよし。」


にゃーん。ごろごろごろ。


ユリア 「じゃああたしはその間に
 有給休暇の書類を探そうっと☆
 じゃねー☆」


たったったっ


「ってああっ、そんなぁっ!」



▽ 城壁へ行く
▽ 繁華街へ行く
▽ 住宅街へ行く
▽ パン屋ソフトブレッドへ行く

★★



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