Forbidden Palace Library #09 君だけの騎士


王都シルバニア
城壁

冬に比べ太陽の日差しは強くなり、白銀の城壁はいっそうその輝きを増す。
そして反射された太陽光により、城壁の周囲はやや暖かみを増す。

そのせいもあるのだろう、所々でうつらうつらと船をこいでいる兵士の姿を見受けることができる。
時折かくんっと膝を曲げて目を覚まし、姿勢を整えるとまた浅い眠りの中へと落ちているようだ。



ベル 「……ん?何か紙飛行機が落ちてるぞ?」

アシスト 「!! ベル、何も言わずにその紙をよこせ。」

ベル 「え?」

アシスト 「ちっ、説明するのが面倒だ。
 ……ウィ・エリス・セルティアス 突風よ我が目前の障害をなぎ払えっ!
 ウィンドスラッシュ!!!


ごうっ!


ベル 「ぐはぁぁぁぁっ! アシストぉぉぉぉぉっ!!!」


ひらひらひらっ


「ああっ、有給休暇の書類がっ!」

アシスト 「ちっ!空高く舞いやがったか……」

「誰のせいです、誰のっ!?」

アシスト 「……こうしちゃいられねぇ、早いとこ探さねぇと!」


だっだっだっ


ベル 「……アシストぉぉぉっ!
 一方的に攻撃しておいて逃げるなぁぁぁぁっ!
 ……ぜーはーぜーはー。」

「……大変ですねぇ、ベル師団長も。」

ベル 「ところでさ、秘書、有給休暇の書類ってなんだ?」

(……そうか。
 今朝の会議にベル師団長はいなかったから知らないんだ。)
「あ、いえ、なんでもないです。じゃ、そゆことでっ」


たったったっ


(ふぅ……あやうく敵を増やすところだった。
 ってそんなこと言う前に。
 今の敵をなんとかしないと……。)



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