「いたぞ、あそこだっ!」
「あらぁ? 見つかっちゃったー☆」
「ユリア、力ずくでも取り戻してみせるぞ。」
「いえ、ですからもとは私の……。」
「へぇ☆ やってごらんなさいー☆」
「後悔するなよ、ユリア?
イ・キルティ・リ・キルティ
鋭利なる氷柱よ我が各々の手に具現せよっ!」
「甘いわねっ!
そっちがその魔導を使う気ならこっちにも考えぐらいあるわっ。
ウェレン・アウレス・ハーウィッツ……」
「ツインアイスィクルッ!」
「空間よ摩擦し熱を起こせ ヒートウェーヴ!」
「……ちっ、
ようやっと命中精度が上がったと思ったのによ。
飛翔する氷を熱波で溶かし水に変えたか。」
「ぴんぽーん♪ 今度はこっちのお・返・し☆
リィ・セレル・リィ 数多の光よ弾となりて突き進めっ!
シャイニングファランクス!!!」
「多くの光を放つが故に個々の質量を軽くしたのが失敗だったな!
セイエ・フェウェル・リ・ラ 重力よ歪みそして障壁となれ
グラヴィティウォール!」
「ぎゃっ!」
「質量が軽いのを逆手にとって重力で軌道を変更させ、
自分への被弾を逸らしたってわけね。
なかなか考えたじゃなぁい☆」
「まぁな。」
「ってあのー、
中央公園の方で何かベル師団長の悲鳴が
聞こえた気がしたんですけど……。」
「気のせいだ、気のせい。
とにかくこのままじゃ埒が明かないな。よし。
……エルス・ディ・ヴェーレス 闇の霧よここに集え!」
「まさか、その魔導は……!」
「!!!!!」
「ダークミストっ!」
「いやぁぁああっっ!暗いのいやぁぁぁっ!」
「悪ぃな、ユリア。有給休暇の書類は頂いていくぜっ!」
「ああっ、私の有給休暇がっ!」
「いやいやいやぁっ、暗いのいやーーーっ!」
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