Forbidden Palace Library #09 君だけの騎士


王都シルバニア
城壁

冬に比べ太陽の日差しは強くなり、白銀の城壁はいっそうその輝きを増す。
そして反射された太陽光により、城壁の周囲はやや暖かみを増す。

やや日差しが傾き、周囲が冷えてきたせいなのだろう。
先ほどまでうとうとしていた兵士達も、今はもうしっかりと目を覚ましているようだ。



アシスト 「いたぞ、あそこだっ!」

ユリア 「あらぁ? 見つかっちゃったー☆」

アシスト 「ユリア、力ずくでも取り戻してみせるぞ。」

「いえ、ですからもとは私の……。」

ユリア 「へぇ☆ やってごらんなさいー☆」

アシスト 「後悔するなよ、ユリア?
 イ・キルティ・リ・キルティ
 鋭利なる氷柱よ我が各々の手に具現せよっ!

ユリア 「甘いわねっ!
 そっちがその魔導を使う気ならこっちにも考えぐらいあるわっ。
 ウェレン・アウレス・ハーウィッツ……

アシストツインアイスィクルッ!

ユリア空間よ摩擦し熱を起こせ ヒートウェーヴ!


ジュッ


アシスト 「……ちっ、
 ようやっと命中精度が上がったと思ったのによ。
 飛翔する氷を熱波で溶かし水に変えたか。」

ユリア 「ぴんぽーん♪ 今度はこっちのお・返・し☆
 リィ・セレル・リィ 数多の光よ弾となりて突き進めっ!
 シャイニングファランクス!!!

アシスト 「多くの光を放つが故に個々の質量を軽くしたのが失敗だったな!
 セイエ・フェウェル・リ・ラ 重力よ歪みそして障壁となれ
 グラヴィティウォール!


ひゅぅぅぅぅ……ぐんっ!


ベル 「ぎゃっ!」


ぱぁぁあああああっ


ユリア 「質量が軽いのを逆手にとって重力で軌道を変更させ、
 自分への被弾を逸らしたってわけね。
 なかなか考えたじゃなぁい☆」

アシスト 「まぁな。」

「ってあのー、
 中央公園の方で何かベル師団長の悲鳴が
 聞こえた気がしたんですけど……。」

アシスト 「気のせいだ、気のせい。
 とにかくこのままじゃ埒が明かないな。よし。
 ……エルス・ディ・ヴェーレス 闇の霧よここに集え!

「まさか、その魔導は……!」

ユリア 「!!!!!」

アシストダークミストっ!


ふわっ


ユリア 「いやぁぁああっっ!暗いのいやぁぁぁっ!」

アシスト 「悪ぃな、ユリア。有給休暇の書類は頂いていくぜっ!」


ばさっ



たったったっ


「ああっ、私の有給休暇がっ!」

ユリア 「いやいやいやぁっ、暗いのいやーーーっ!」



▽ 中央公園へ行く
▽ 繁華街へ行く
▽ 住宅街へ行く
▽ パン屋ソフトブレッドへ行く



▽ 書庫に戻る

OWNER
Copyright(c)1997-2000 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp 日本語でどうぞ。