「ただいまー。」
「おかえりなさい、デニス。」
「あれ? レナードお兄ちゃん来てたの?」
「え、ええ。さっきまで……。」
「あ、もう帰っちゃったんだー。
残念だなー。
せっかく教えてあげたいことがあったのにー。」
「教えてあげたいこと?なにかしら?」
「うん、あのね、
いつレナードお兄ちゃんが来てもいいようにって、
毎晩おねーちゃんが自分の寝室を念入りに整えていること。」
「デ、デニスっ!」
「でもなんで寝室を整えているんだろう?
お客さんが来るのは居間だと思うんだけどなぁ。
それにいつも昼間来てるのに。あれ?何か変だな?」
「……デニス。ちょっといらっしゃい。」
「うぇーん、ごめんなさいーっ。
よくわかんないけどそれが大人の秘密なんだねっ。
やっぱり僕ケナフ畑で生まれたんだーっ」
(……今度は誤解と無邪気さが入り交じった雰囲気が……。)
★★