Forbidden Palace Library #09 君だけの騎士


王都シルバニア
繁華街

街の人々で埋め尽くされる繁華街。
露天に並んだ出店には色とりどりの食べ物や食材が並び、あるいは様々な地方の特産品が並べられている。
人にとっても馬車にとっても移動しやすいこの季節、シルバニアでもっとも多くの産物が集まる時期でもある。

木陰にイーゼルを立て、なにやら考え事をしている画家がいる。
どうやら王城を描こうとしているようだ。



「中央公園といいさっきの繁華街といい、
 なんか今日はやけに子供が多いような……。
 どう考えても気のせいじゃないよなぁ。」

エリーゼ 「もう12月だから、夏休みなのよ。
 そして来年の1月には、
 各初等学校で入学式が行われるのよね。」

「そういう慣習って、いつ頃からあるんですか?」

エリーゼ 「私もよくは知らないけど、
 ロウクス君の話では古代文明時代から続いているらしいわ。
 世界的にはこの大陸が特異だったらしいけど。」

「え?じゃあ他の大陸とかは1月に年度が始まらなかったんですか?」

エリーゼ 「私たちが住んでいるのは南半球でしょ?
 この惑星の大陸の多くは北半球に位置しているから、
 そっちの基準に合わせて定められていたそうよ。」

(北半球……。
 この大陸とは季節が逆だなんて。
 一体どんな所なんだろう……)



▽ 中央公園へ行く
▽ 城壁へ行く
▽ 住宅街へ行く
▽ パン屋ソフトブレッドへ行く



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