「ロウクス君っ!」
「お、エリーゼ。おかえり。」
「た、ただいま……。」
「無事だったか?」
「ええ。ロウクス君は?」
「ああ。もちろんいつも通りだ。」
「相変わらず、実験のことばかり考えてたんですね。」
「何か言ったか、秘書?」
「いいえ、別に。」
「……実験のことばかり?」
「いや、それが案外そうでもなくて。」
「……明日雨かな。」
「また何か言ったか、秘書?」
「いいえ、別に。」
「どうしたの、ロウクス君らしくないじゃない。」
「ああ。なんとなく落ち着かなくてさ。
前にブランドブレイに出張したときと何が違うのか
色々と考えてみたんだけどよ……。」
「?」
「前の時はエリーゼと一緒だったけど、
今回は単独行動だったからかなと思うんだ。
やっぱり、側にいてくれないと安心できないしな。」
「えっ……。」
「ん、どした? 顔真っ赤だぞ?」
「べ、別に、なんでもありませんっ!」
「そうか?」
「…………でも。」
「ん?」
「ちょっとだけ、嬉しいです。」
「ん、明日の雨(予定)がか?」
「蹴りぃぃぃぃぃっ!!!」
「ぐはぁっ!」
「違いますっ!!!」
「いつものより効いた……きゅうっ。」
「んもぅっ!知りませんっ!」
(……あ、そうか。
エリーゼ師団長の見せる時々遠い目って、
アシスト師団長のそれとそっくりなんだ。)
(二人とも、過去になにかあったのかな……?)
★★