「レミィ陛下ー。」
「くー。」
「レミィ陛下ー。」
「くー。」
「レ・ミィ・陛・下ー。」
「くー。」
「……なんで起きる気配がないんだろう。
ていうか、なんでこんなところで
寝ているんだろう、この人。」
「むにゃむにゃ、はなまるぅ。」
「…………陛下、もしかして起きてません?」
「眠いお年頃、むにゃ……。」
「ねー、お姉ちゃん、女王さままだ寝てるの?」
「くー。」
(女王様? おほほほほ、女王様と呼びなさいっ!
……ダメよ、そんないかがわしい。
私は別にレナードさんをそんな風に……。)
「お姉ちゃん?」
(でも、もしもレナードさんが
そういうのを好きだったら……。
ああ、いけないわアリス。そんなこと、そんなことっ。)
「お姉ちゃーん……。」
「な、なに、デニス?」
「僕、何を手伝えばいい?」
「そうね……。
じゃあ私はこっちの角パンを積み上げるから、
デニスはそっちのデニッシュを籠に並べて頂戴。」
「デニス……デニッシュ……。」
「どうしたの、デニス?」
「うぇーん、やっぱり僕小麦畑で生まれたんだーっ!」
「あ、ちょっと、デニス! お店の手伝いは?」
「くー。」
「…………なんだかなぁ。」
★★