「そういやこの公園、
正しくはセンティス記念公園って
言うんですよね。」
「うむ。」
「そのセンティス公って何をした人なんですか?
大陸史の教科書で名前を聞いた記憶は有るんですけど、
具体的に何のために有名なのか知らなくて……。」
「うむ、そうか。
秘書、お前の父親の出身国では
確かに習わない歴史かもしれぬ。」
「どういう意味です?」
「まだシルバニアが建国間もない頃、
この王都でクーデター未遂事件があってな。
一時は王城まで占領される事態にまで陥った。」
「え、そんな大事件が!?」
「時のセンティス公は、
自らの王立軍をこの中央公園……当時はまだ、
遷都計画のための資材置き場だったがな。」
「とにかくこの広場に兵員を集め、
自ら師団を率いて王城と王位を奪還した。
その功績を称えての『センティス記念公園』なのだよ。」
「なるほど、そんなことが……。
でも、それがどうして、
父の出身国では習わない歴史になるんですか?」
「急がずとも、いずれ理由を知る日も来るだろうて。」
「は、はぁ……。」
★