Forbidden Palace Library #11 本意なき発言


王都シルバニア
城壁

収穫の秋。街道が最も賑わい、馬車の往来が最も多い季節。
ここシルバニアも例外ではなく、国内外からの収穫物が次々と運ばれてくる。

ある荷馬車は北から南へ、またある荷馬車は南から北へ。
そしてまたある荷馬車は、この都市を終着駅として。



コペルニクス 「ちゃきーん。遅かったな。」

「遅かったって、留守にしてたのはそっちじゃないですか。」

コペルニクス 「…………。」


ちゃきーん。

「いえ、ですからいちいちそのハサミ鳴らさないでくださいよ。」

コペルニクス 「いい音だろう。」


ちゃきーん。
ちゃきーん。

(……下手な返事をしようものなら自分の身が危険な気がする。)

コペルニクス 「それで、回答はなんだと?」

「あ、はい。ボイス元帥によれば、特に資格制限はないとのことです。」

コペルニクス 「そうか。」


ちゃきーん。
ちゃきーん。
ちゃきーん。

「……あの、ひょっとして何か企んでます?」

コペルニクス 「企むとは人聞きの悪い。」

「あ、ごめんなさいっ。」

コペルニクス 「俺様はただ、
 この華麗なる高枝切りバサミの素晴らしさを
 より一人でも多くの者共に広めようと……」


すたすたすた

コペルニクス 「おーい、無視するなぁ。」



▽ 中央公園へ行く
▽ 繁華街へ行く
▽ 住宅街へ行く



▽ 書庫に戻る

OWNER
Copyright(c)1997-2007 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp 日本語でどうぞ。