「ここの噛み合わせが外れることで網が飛び出て……。」
「……なにやってるんですか、アシスト師団長。」
「何って見れば分かるだろう。」
「分からないから聞いてるんです。」
「罠だよ、罠。トラップを作っているんだ。」
「……はい?」
「いいか、店先にこいつを仕掛けておいて、
ユリアが一番乗りだと勘違いして入店しようとしたところで、
一撃で仕留める。我ながら良い作戦だ。」
「他人の店先に物騒なモノ仕掛けないで下さいよ。
それに普通のお客さんだっているかもしれないじゃないですか。
他の人に当たったらどうするつもりなんですか?」
「…………。」
「アシスト師団長?」
「そうか、その可能性があったか。」
「そうですよ、
仮にも一国の師団長なんですから、
もっと市民の安全を守っているんだという自覚を……。」
「ということはもっと確実な罠に仕様を変える必要がありそうだな。」
「いえ、あの、そういう話ではなく。」
「そうと決まれば早速追加の資材調達だ!ありがとよ、秘書!」
「あれ、ひょっとして火に油を注いじゃった……?」
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