Forbidden Palace Library #11 本意なき発言


王都シルバニア
繁華街

白銀の城壁に囲まれた都市、シルバニア。
普段はその内部へと馬車を進める事は法律で禁止されているが、
収穫季の一定期間に限り、特例として許可されている。

今は、大通りの両脇に荷馬車が溢れるという、
この都市では滅多に見られない光景が広がっている。



「ユリア師団長、何やってるんですか?」

ユリア 「罠よ罠。トラップ作ってるのよ☆」

「……なんか誰かさんも同じ事言ってたなぁ。」

ユリア 「え、なにが?」

「あ、いえ。なんでもないです。」

ユリア 「力に訴えるなんて野蛮じゃなーい?
 やっぱり使うべきは頭よ、あ・た・ま☆
 それが魔導師ってもんよねぇ。」

「そういうもんなんですか。」

ユリア 「そういうもんよ。
 あのねあのね、聞いて聞いて、秘書ちゃん。
 この板を踏むとね、バネで網がぴょーんと飛び出て……。」

「……魔導師って、みんな考える事は一緒なんだろうか。」

ユリア 「え、なに?何かいった?」

「いえ、なにも。」

ユリア 「うふふ、とにかくこれがあれば
 ウィルバーちゃんなんか一網打尽よっ☆
 1.5倍の給料はあたしのものー。」

「……でもこれ結構大きいですよね。」

ユリア 「そそ。だからちょっと一人じゃ難しいのよねー。
 秘書ちゃん、少し力仕事していかなーい?
 お礼にクッキー焼いてあげるわよー☆」

「あ、用事思いだした。じゃあ私はこれでっ。」

ユリア 「祖母直伝の美味しいクッキーなのにー。」

「そういうのはボイス元帥かジュリアスさんにでもあげてください。」

ユリア 「……そっか、その手があったっけ☆」

「え?」



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