「あのー、念のためにお伺いしますが……。」
「ちゃきーん。
この俺様の華麗なる高枝切りバサミに質問とはよい心がけだ。
もちろん7段階に伸びるこのシャフトについてだな?」
「いえ、そうではなくて、
あのですね、昨日の定例会議のあと、
再び作戦会議室に戻ったということはありません?」
「ちゃきーん。戻ったぞ。」
「時刻は覚えていらっしゃいします?」
「ちゃきーん。たぶん午後6時頃だ。」
「……えっと、そこで白い封筒は見ませんでした?」
「ちゃきーん。
俺様がこの華麗なる高枝切りバサミで
試し切りをしたあの封筒のことだな?」
「試し切りっ!?」
「……コペルニクス。どういうことだ?」
「せっかく研いだこの刃を試し切りしたくてな。
それで作戦会議室に行ったら机の上になにやら封筒があったから
試しに斬ってみた。ちゃきーん。」
「それで、中を読んだのか?」
「封筒の中には興味などない。
俺様が興味あるのはこの華麗なる高枝切りバサミと
手頃に斬りやすい紙だけだ。」
「『きる』の字がちょっと違うんじゃ……。」
「…………。」
「いえ、あの、にらまれても。」
「つまり、人が丁寧に封をした手紙を開けた犯人はお前なのだな?」
「ちゃきーん。イェッサー!」
「…………頭痛い。」
「それで、その封筒はどうした?お前が持っているのか?」
「ちゃきーん。
俺様は斬ることにのみ興味がある。
封筒そのものには興味などない。」
「いえ、それはそれで何か問題ある気もするんですけど……。」
「話をまとめてみよう。」
「はい。」
「つまり、会議終了後、まずアシストとベルが再入室。
そこで鬼ごっこをした後、入れ替わりにエリーゼが入室。
散らかった室内を見て、書類を整理する。」
「そしてその後、コペルニクス師団長が部屋に入り、
机の上にあった手頃な封筒を開封。ここまでで午後6時。
……ということは、問題はこの後ですね。」
「午後6時、コペルニクス入退室の後、アークが入室した午後7時までの間、
誰が作戦会議室に入ったのかが問題か……。
とすると残ったのは……」
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