「アークライト師団長、こんなところでなにしているんです?」
「朝の散歩。」
「……散歩?」
「うん。趣味なんだ。」
「それって普通の人の場合よくある趣味ですけど、
アークライト師団長の場合はいろんな意味で
とても危険な趣味ですよね。」
「うん、そうかもしれない。
…………。
ところで今何かとても失礼なことを言わなかったかい?」
「気のせいですよ、きっと。」
「そうか。それならいいんだ。」
「ところで散歩ってどこにいくつもりなんですか?」
「うん、知らない。」
「し、知らないって……えっと、あの、」
「僕、知らないもーん。」
「いえ、子供みたいな口調で言われても困るんですが……」
「子供かぁ。
そういえば僕が小さい頃、
何故か僕だけ鬼ごっこに混ぜてもらえなかったんだよなぁ。」
「まぁ確かに……
アークライト師団長が鬼になっても逃げる役になっても、
ゲームにならない気がしますからねぇ。」
「ジュリアさんはジュリアさんで隠れんぼ嫌いだったし。」
「それももっともですよねぇ。
暗所恐怖症ですし。……あれ?
そういえばユリア師団長ってどうして暗所恐怖症になったんですか?」
「うん。小さかった頃に……」
「あ、猫だ。かぁいい。」
「ってちょっと、アークライト師団長!
話の途中でどこに行くんですっ!?
……あーあ、猫おいかけてどこか行っちゃった。」
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