「真夜中のシルバニア、か。……静かだな。」
「ええ、ですね。
ところでレナード将軍。
これからどうやって犯人を捜すつもりなんです?」
「容疑者全員に聞いていくしか在るまい。」
「……は?こんな真夜中にですか?」
「真夜中だからこそ、だ。
このような時間では恐らく誰も逃げられまい。
犯人逮捕にはうってつけの時間だ。」
「……いえ、あの、別に誰も逃げたりしない気がするんですが……」
「いや、念には念を入れて、だ。
アシストのように魔導で空を飛んで逃げる奴もいるからな。
それに事は一刻を争う。」
「……だからその封筒の中の書類って何が書かれているんです?」
「機密だ。
……一刻も早く、犯人を見つけねばなるまい。
内容が漏れる前になんとしても……」
「……本当に何が書いて在るんです?」
「文字が書いてある。」
「いえ、それはもういいですから。」
「エングリシア語が書かれている。」
「……いいです、聞こうとした私があさはかでした。」
「ふむ。わかればよろしい。
……さて、犯人を誰から探すか、だ。
そうだな、まずはアシストから行くか。」
「……なんでいつもこうなっちゃうんだろう。ふぅ。」
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