Forbidden Palace Library #07 夜明けの前に


王都シルバニア
住宅街


レナード 「真夜中のシルバニア、か。……静かだな。」

「ええ、ですね。
 ところでレナード将軍。
 これからどうやって犯人を捜すつもりなんです?」

レナード 「容疑者全員に聞いていくしか在るまい。」

「……は?こんな真夜中にですか?」

レナード 「真夜中だからこそ、だ。
 このような時間では恐らく誰も逃げられまい。
 犯人逮捕にはうってつけの時間だ。」

「……いえ、あの、別に誰も逃げたりしない気がするんですが……」

レナード 「いや、念には念を入れて、だ。
 アシストのように魔導で空を飛んで逃げる奴もいるからな。
 それに事は一刻を争う。」

「……だからその封筒の中の書類って何が書かれているんです?」

レナード 「機密だ。
 ……一刻も早く、犯人を見つけねばなるまい。
 内容が漏れる前になんとしても……」

「……本当に何が書いて在るんです?」

レナード 「文字が書いてある。」

「いえ、それはもういいですから。」

レナード 「エングリシア語が書かれている。」

「……いいです、聞こうとした私があさはかでした。」

レナード 「ふむ。わかればよろしい。
 ……さて、犯人を誰から探すか、だ。
 そうだな、まずはアシストから行くか。」

「……なんでいつもこうなっちゃうんだろう。ふぅ。」



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