「やっほー、秘書ちゃーん☆」
「……ユリア師団長。
公園のオブジェの上に立って
何やっているんですか?」
「あたし小さい頃よくここで遊んだのよー☆
それをちょっと思い出しちゃってー☆
ほら、このオブジエって四角形の石を積み上げただけに見えない?」
「まぁそう言われれば確かに無造作に積み上げただけにも……。」
「小さい頃よくこの公園に遊びに来ては、
このオブジェを砦に見立てて
よくアークとかと遊んだんだけど……」
「と、砦……。」
「実はあながちそれも間違いじゃなかったみたいなのー☆」
「はい?といいますと?」
「秘書ちゃん、
この石よーく見て。
あと噴水に使われている囲いの石も。」
「そう言われてみると、二つとも同じ種類の石ですね。」
「それだけじゃなくて。どこかで見覚えない?」
「どこかで?
………………。
……………あれ?もしかして……。」
「ぴんぽーん☆
王城本館の壁に使われているのと同じ石でしょー?
お城の方がちゃんと磨かれてはいるけど☆」
「え?どうしてそんな石がこんなところにあるんです?」
「この公園はね、もともとこの王都を建設するにあたっての
資材置き場だったらしいの☆
それで王城が完成した時に余った石材で……」
「噴水の囲い作ったり、オブジェを作ったりしていたんですね。
……あ!
そういえば公園の遊歩道の石畳も同じ材質だった気が。」
「ぴんぽーん☆
だいせいかーい☆
あの石畳も実は王城建築の時に余った端材で作られたおまけ品らしいのー。」
「おまけ品って……。
なるほど、この公園にそんな隠された由来があったんですね。
……ところでユリア師団長。」
「なぁにー?」
「いつまでそんな高いところにいるんです?」
「飽きるまでー☆」
「……………あ、そ、そうですか。」
★★