「負けぬ。ちゃきーん。
絶対に負けぬ。ちゃきーん。
それでこそ俺様の華麗なる高枝切りバサミ。」
「……本当はあんまり関わりたくないんですが、
ちょっと気になったので質問なんですけど、
何が負けないんです?」
「俺様の華麗なる高枝切りバサミは、
すらりとした支柱などに負けぬ。
そう言いたいのだ。」
「は?なんです、それ?」
「俺様の父上の愛用品だ。ちゃきーん。」
「あ、愛用しているんですか?」
「今頃、隣国ブランドブレイで支柱磨きに精をだしているはずだ。
もちろん俺様の華麗なる高枝切りバサミの方が素晴らしくはあるがな。
こっちの方が大きく振り回せるし、な。ちゃきーん。」
「って危ないから振り回さないでくださいぃぃっ!」
「ちょっと人の話聞いてますっ!?」
「………………。」
「? どうしたんです?しゃがみこんで?」
「……高枝切りバサミが華麗すぎて目が回っただけだ。ちゃきーん」
「いえ、ただ単にぐるぐる大回転したから目を回しただけなんじゃ……。」
「………………。」
「睨まれても。」
「だが父上の支柱ではこれほどダイナミックな回転はできまい。くらくらちゃきーん。」
「……この人の家族って一体。」
★★★