Forbidden Palace Library #08 認可なき侵入


王都シルバニア
中央公園

遊歩道の両側に植えられた落葉樹は、その梢から小さな葉を芽生えさせている。
その枝の上では小鳥がさえずり、木々が再び緑色を纏うのを心待ちにしているようだ。
周囲の景色が色を帯びてきたからであろうか、冬には冷たく感じられたその石畳もこの季節にはむしろ暖かく見えてしまう。

公園のベンチでは、猫がしっぽを揺らしながら居心地良さそうにひなたぼっこをしている。



(あれ?あそこにいるのはエリーゼ師団長とアシスト師団長?)


・・・・・


エリーゼ 「まったく。
 どうして貴方ってひとはそう毎回毎回懲りないんです?
 さっきも秘書さんを実験台にしようとして……。」

アシスト 「仕方ねぇだろ、こっちにだって色々理由があるんだから。」

エリーゼ 「どんな理由よ?」

アシスト 「そうだな……そこに実験台があるから。」

エリーゼ 「……ロウクス君。本気で言ってる?」

アシスト 「もちろん。」

エリーゼ 「蹴りぃぃぃぃぃっ!!!」


どごぉぉぉっ


アシスト 「ぐはぁっ!」

エリーゼ 「まったくもぅ。」

アシスト 「……本当は……」

エリーゼ 「本当は?なによ?」

アシスト 「………………エリー……。」

エリーゼ 「な、なによ……突然シリアスな顔しちゃって。」

アシスト 「…………………。」

エリーゼ 「そんな風に顔近づけたって……ダメ……だってばぁ……」

アシスト 「本当は…………。」

エリーゼ 「ほ……んとうは…………なに……?」

アシスト 「俺の好奇心を満たすため、
 ということで一つ納得してくれないか?
 な?」

エリーゼ 「な?じゃありませんっ!
 蹴・りぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」


どごぉぉぉぉおおっ


アシスト 「ぐはぁぁぁっ。」

エリーゼ 「んもぅっ!
 今日という今日はきちんとお説教させていただきます!
 いまからすぐに王城まで来てくださいっ!いいですねっ!?」

アシスト 「きゅう。」


ずるずるずる



・・・・・


「……引きずられてるし。」



▽ 城壁へ行く
▽ 繁華街へ行く
▽ 住宅街へ行く
▽ パン屋ソフトブレッドへ行く

★★



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