Forbidden Palace Library #08 認可なき侵入


王都シルバニア
繁華街

気候が涼しくなると共に人々の往来は活発になる。それはこのシルバニアとて例外ではない。
道のぬかるみがなくなり馬や馬車にとって最も移動しやすい季節となるこの涼季。
近隣の諸都市から農作物や工芸品が馬車いっぱいに詰められて運ばれて来るだけでなく、
北のエルメキアやアルゲンタインといった遠い地方からも昨年取れた産物が運ばれてくる。

商人にとって、冬が訪れる前の秋と同じぐらいこの涼気が商売上おいしい季節となるからである。


アーク 「あ、遺書君。」

「秘書ですってば。」

アーク 「似てない?」

「似てません。」

アーク 「そうか、それはとても残念だ。」

「……それよりアークライト師団長。
 その手に持っているのは何です?
 何か大きな紙のようですけど?」

アーク 「うん、今度は別の地図を持ち歩くことにしたんだ。」

「別の地図?」

アーク 「うん、これ。」


ばさっ。


「……3620、+、3630、+……ってなんです?これ?」

アーク 「うん、マルス君に何かいい地図ないかって聞いたらこれくれて。」

「……あのー、
 アークライト師団長、
 この地図右上に思いっきり『海図』って書いてあるんですけど。」

アーク 「うん、そうか。で、海図ってなんだい?」

「………………。」



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