「ふんふんふん♪」
「ん?ユリア、どうしたんだ嬉しそうにして?」
「あ、ウィルバーちゃん☆
見てみて、新しいペン買ったのー☆
いいでしょー☆」
「へぇ。質が良さそうだな。エルメキア製か?」
「ぴんぽーん☆ あったりー☆
エルメキアのペン先って書き心地がとってもいいのー☆
やっぱり魔導金属リルでできているだけあるわねー☆」
「何っ!?リル?シェナじゃなくてか?
……ああ、本当だ。
ペン先が白銀だ。間違いなくリルの色だな。」
「これだけ細かい魔導金属加工技術を持ってるのって、
大陸でもまだエルメキアだけなのよねぇ。
早くシルバニアでも出来るようになるといいわねー☆」
「……なぁ、ユリア。」
「どしたの、ウィルバーちゃん?」
「その魔導金属細微加工技術を、この国でも開発してみないか?」
「え?シルバニアで?」
「確かにエルメキアは昔から魔導に関しての一流国と言われてきた。
でも魔導技術に関して現状を見る限りでは、
このシルバニアだってそんなに劣っているわけじゃない。」
「確かにそうよねー。
だって、あれだけ大きくて長い城壁を全て魔導金属リルだけで
作ってしまうほどの技術は既にあるんだものねぇ☆」
「それなりの実力を持つ魔導師がここに二人もいるんだ。
魔導に関するあと少しの設備投資さえあれば、
ペン先を作るのも夢じゃないと思うんだが……。」
「……面白そうな話だし、後でおじいちゃんに頼んでみようかしら☆
レナードちゃんも手紙書くの好きな人だから、
たぶん二つ返事で賛成してくれると思うしー☆」
「そうすればたくさん実験ができるしな……。」
「ん?今、何か言った、ウィルバーちゃん?」
「ああ、いやいや、なんでもない。」
(今、何か怖い一言を聞いてしまったような……。)
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