Forbidden Palace Library #09 君だけの騎士


王都シルバニア
繁華街

街の人々で埋め尽くされる繁華街。
露天に並んだ出店には色とりどりの食べ物や食材が並び、あるいは様々な地方の特産品が並べられている。
人にとっても馬車にとっても移動しやすいこの季節、シルバニアでもっとも多くの産物が集まる時期でもある。

木陰にイーゼルを立て、なにやら考え事をしている画家がいる。
どうやら王城を描こうとしているようだ。



「そういえば絵の具って、どうやって作られるんです?」

エディソン 「これか?
 色自体は顔料によってつけられるが、
 ベースとなる液体はリルの副産物なんじゃよ。」

「副産物? 魔導金属リルの?」

エディソン 「砂からリルを魔導生成する時に、
 虹色の液体が生まれるのは知っておるか?
 すぐに冷えて白くなってしまうんじゃが……」

「ええ、確か初等学校の時の社会科見学で見た記憶が。」

エディソン 「その白くなったジェル状の液体に
 鉱石からとれた顔料を混ぜると、
 絵の具ができあがるんじゃ。」

「ふーん、そうなんですかー。」

エディソン 「遙か昔は木や石の油に混ぜて絵を描いていたこともあったようじゃがの。」

「油に色を混ぜて?」

エディソン 「もっとも、今から千年以上も昔の話じゃ。
 そのころの絵などとうに残ってはおらん。
 そうだったらしいという話が口伝で伝えられているだけなんじゃがの。」

(千年以上……昔の人はどんな絵を描いていたんだろう。)



▽ 中央公園へ行く
▽ 城壁へ行く
▽ 住宅街へ行く
▽ パン屋ソフトブレッドへ行く

★★



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