Forbidden Palace Library #09 君だけの騎士


王都シルバニア
住宅街

南半球に存在するこの大陸では、暖かい風が北から吹き込んでくる。
春が過ぎ涼季を経たこの季節、シルバニアはほのかな暖かさに包まれる。
夏が訪れないこの地方で、今がもっとも暖かい季節なのである。

子供達もそんな季節をめいっぱい満喫しようとしているのだろうか、
冬に寒さから逃れるために駆けっこをしていたのとは異なり、今の季節を心から楽しむかのように住宅街を走り回っている。



レナード 「……それで、原因は分かったか?」

ジュリアス 「いや、全然。
 それどころかどういったわけか、
 国の公式記録からも抹消されていた。」

レナード 「……カイザリアの公式記録からか?」

ジュリアス 「第十八次北方調査隊。
 今から二十年以上前に行われたその調査を最後に、
 探査計画そのものがうち切られていた。」

レナード 「それで、その時の調査隊員たちは……?」

ジュリアス 「戸籍は全員抹消されていた。」

レナード 「抹消!?死亡ではなく?」

ジュリアス 「……それ以上のことは調べられなかったが、
 おそらくカイザリアは何かを隠している。
 あるいは隠さざるを得ない何かが起こったか……。」

レナード 「何か?」

ジュリアス 「そう、例えば…………。」

レナード 「しっ!待て、人の気配がする。」

ジュリアス 「……わかった。また後で話そう。」


たったったっ



・・・・・


(あれ?
 レナード将軍の話し声がしたような気がしたんだけど……。
 気のせいだったのかな?)



▽ 中央公園へ行く
▽ 城壁へ行く
▽ 繁華街へ行く
▽ パン屋ソフトブレッドへ行く

★★



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