「……それで、原因は分かったか?」
「いや、全然。
それどころかどういったわけか、
国の公式記録からも抹消されていた。」
「……カイザリアの公式記録からか?」
「第十八次北方調査隊。
今から二十年以上前に行われたその調査を最後に、
探査計画そのものがうち切られていた。」
「それで、その時の調査隊員たちは……?」
「戸籍は全員抹消されていた。」
「抹消!?死亡ではなく?」
「……それ以上のことは調べられなかったが、
おそらくカイザリアは何かを隠している。
あるいは隠さざるを得ない何かが起こったか……。」
「何か?」
「そう、例えば…………。」
「しっ!待て、人の気配がする。」
「……わかった。また後で話そう。」
(あれ?
レナード将軍の話し声がしたような気がしたんだけど……。
気のせいだったのかな?)
★★