Forbidden Palace Library #10 舞え軽やかに


王都シルバニア
城壁

夏のゆるやかな日差しが、城壁の白い輝きをより際だたせる。
日光の直接反射を防ぐために表面加工されているものの、
やはりその眩しさを完全に防ぐことは出来ないようだ。

だがその目映さは、色彩的なものだけではない。
先の大戦を守り抜いた、偉大な城壁への信頼の光なのかもしれない。

その一切継ぎ目のない城壁の前を、幾人かの兵士が巡回している。
高枝切りバサミの影は周囲に見あたらないようだ。




きょろきょろ

(………………?)


きょろきょろ

(……あれ?いない。)

(いつもなら、
 ここに来ればいると思ったんだけど。
 どうしてこういう時に限っていないんだろう?)

(…………珍しいこともあるのかなぁ。)

(他の場所を探してみるか。
 ……とは言っても、
 ここ以外にどこにいるのか検討つかないし。うーん。)



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