「むむむ。そこにいるのは秘書ではないか。」
「あれ、ボイス元帥。
おはようございます。
どうしたんです?そんなに慌てて。」
「うむ。少々緊急の人捜しをな。」
「人捜し?どうしたんですか?」
「レミィ陛下を見かけなかったか?」
「いえ、いまさっき王城から降りてきたばかりなので。
……もしかしなくても、
どこかで寝てるんじゃないですか?」
「だから問題なのだ!
この祭の前の忙しい時に、
肝心のレミィ陛下はどこに行かれたのやら……。」
「はぁ……。
とりあえず見かけたら王城に戻るように
伝えればいいんですね?」
「そうか、秘書。
お前も手伝ってくれるというのか。
よし、ならばわしは繁華街を、秘書は住宅街……」
「あ、いえ、私は別の用事があるので。」
「その用事と陛下の命、どっちが危機的状況だと思うかね!?」
「……レナード将軍に頼まれた用事の方が、
別の意味で危機的状況かと。
しくしくしく。」
「む?その国旗、もしや式典のアレか?」
「ええ、そうです。」
「くっ、式典舞踏の準備なら仕方有るまい。
今回だけは見逃してやろう。
しかし陛下は一体いずこに……むむむむむ。」
(ほっ、よかった。
って『今回だけ』ってことは、
次回は……?)
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