Forbidden Palace Library #10 舞え軽やかに


王都シルバニア
繁華街

お祭りが近いとあって、街は普段よりも多くの人で溢れている。
本来なら街路樹の前後2メートル以内に出店が規制されているはずの露店も、
この時期ばかりは多少越えていてもお咎めはないようだ。

それもそのはず。
本来なら監視する側の王立軍の兵士達も、お祭りに浮かれているのだから。

この人混みは当分止みそうにない。



(なんでこんなわざわざギリギリになって……。
 どうせなら祭の準備で忙しくなる前に
 王立劇団とやらに渡しておけばいいのに。ぶつぶつ。)


がやがやがや

(にしても、いつになく賑わっているなあ。)

(……なんだかこういう町中の準備すらも、
 既にお祭りの一部になってるっていうか、
 まるで王都そのものが楽しげな声を出してる感じがする。)

(と、そんなことよりも。
 まずコペルニクス副師団長を捜さないと。
 この国旗を渡せばいいだけだし。)

(ま、もっともいつもの場所にいると思うんだけど……。)



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