「いらっしゃいませ。」
「よ!」
「あれ、ジュリアスさん。」
「……?」
「珍しいですね。どうしたんですか?」
「レナードの奴がいつもここにいるって聞いてきたんだが。」
「レナードさんのお友達ですか?」
「ああ。実は恋人同士なんだ。」
(ガーーーーンっ!!!)
「ち、ちょっとジュリアスさん!?」
「ま、嘘に決まってるけどな。」
「あのー、そういう嘘が通じる人と通じない人がいるんですが……。」
(だめよ、そんなの不健全よっ!
男同士で恋人同士だなんて、不潔すぎるわっ!!
種族維持に繋がらないからって法でも認められていないのに!)
「……もしもし、お嬢さん?」
(でも負けない、負けないわっ!
アリス、こうなったらもう色仕掛けしかないわっ!
うう、あんまり自信ないけど……だめ、負けちゃだめ。)
「あのー、アリスさん?」
「あ、は、はい?」
「レナードの奴、今日はまだ来てないのか?」
「はい。」
「そうか、レナードの奴はいないのか……。」
「そんなに周囲を見回してもいませんてば。」
「いや、どこかに隠れて寝てないかなと。」
「なんで寝てるんです?」
「いや、なんでも。こっちの話だ。」
「?」
「まあ、じゃあ奴が来るまでここで待つかな。」
「……普通、そういう時は出直すとかしません?」
★★