「あ、レナード将軍!!」
「秘書か。旗は無事に届けたのか?」
「はい。確かにコペルニクス副師団長に渡しました。」
「……それだけか?」
「はい?それだけ……って?」
「きちんと王立劇団に届いたことをその目で見届けたのか?」
「い、いえ、そこまでは……。」
「ならぱ、いますぐその場に戻り、
コペルニクスがきちんと劇団まで届けに行ったか、
何か問題を起こさないかを監視せよ。」
「か、監視ですか?」
「そうだ。なるべく本人に気づかれないようにな。」
「……あんまり乗り気じゃないんですけど。」
「秘書。お前以外に誰がこの国を師団長達の魔の手から守るんだ?」
「……師団長の魔の手からって、
なんか違う気がするんですが。
そもそも師団長が国を守るべきなんじゃ……。」
「文句があるなら本人達に言ってくれ。」
「……この国って一体。」
「トップがどうしようもないのかもしれないな。」
「そのトップが私の目の前にいる時、私はどうすれば。」
「……何か言ったか、秘書?」
「いいえ、なにも。」
(はぁ……。
なんだか気が進まないなぁ。)
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