Forbidden Palace Library #10 舞え軽やかに


王都シルバニア
住宅街
パン屋ソフトブレッド

昼食時を過ぎたからだろうか、
さっきまでは時折行き交う人々の足音と、台所から洩れてくる軽快な料理の音だけで満たされていたのが、
いつの間にか子供達の小さな足が路地を駆け回る音と、陽気にはしゃぐ声に取って代わられている。

昼過ぎの住宅街は、子供達にとって恰好の遊び場のようだ。



ボイス 「む、レミィ陛下! 探しましたぞ!
 いつまでたっても戻られないから、
 陛下の身に何かあったのかと心配しましたぞ!」

レミィ 「むにゃ……あら、ボイスさん。はなまるぅ。」

ボイス 「って陛下! その髪型は!?」

レミィ 「眠る時に少し暑いので、切ったのですわ。くー。」

ボイス 「……ふむ。
 陛下、お眠りになられるのは結構ですが、
 ご自分の寝室にてお休み下さいませ。」

レミィ 「まあるさんかくしかくぅ。」

ボイス 「…………?
 陛下、いまここにどなたか
 おられましたか?」

レミィ 「……くー。」

ボイス 「む。
 気のせいなら構いませぬ。
 ただ、どこかで知っている気配の名残が……。」

レミィ 「…………。」

ボイス 「さ、戻りますぞ、陛下。」

レミィ 「はなまるぅ……むにゃむにゃ。」



▽ 中央公園へ行く
▽ 城壁へ行く
▽ 繁華街へ行く
▽ 住宅街へ行く

★★★



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